奈労連・一般労組支援 上田公一

残業の賃金不払い446億円 1年で319億円の異常な急増、「働き方改革」影響?

JUGEMテーマ:社会の出来事

 

残業の賃金不払い446億円 1年で319億円の異常な急増、「働き方改革」影響?

8/10(金) 17:27配信より引用掲載

産経新聞

 残業などの割増賃金を支払っていない企業に対し、労働基準監督署が是正指導した結果、平成29年度は総額約446億円が労働者に支払われたことが、10日公表された厚生労働省の調査で分かった。前年度は約127億円で、1年間で319億円の急増。過去最高の数値となった背景には、「働き方改革」が影響しているという。

 厚労省によると、割増賃金を支払わなかった企業(1企業で合計100万円以上の不払いが対象)は1870(前年度比521増)で、対象労働者は20万5235人(同10万7257人増)と、いずれも過去最多を更新。割増賃金の不払い総額はこの10年間、120億円前後で推移しているが、29年度は異常な急増値を示した。

 厚労省によると、働き方改革で、残業や賃金の見直しが急速に拡大し、企業の改善の意識が高まっている。監督指導の対象となった企業では、タイムカードやパソコンのログ記録と実働時間との隔たりがないか確認するなど、対策が行われているという。


残業の賃金不払い446億円 1年で319億円の異常な急増、「働き方改革」影響?

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残業の賃金不払い446億円 1年で319億円の異常な急増、「働き方改革」影響?

8/10(金) 17:27配信より引用掲載

産経新聞

 残業などの割増賃金を支払っていない企業に対し、労働基準監督署が是正指導した結果、平成29年度は総額約446億円が労働者に支払われたことが、10日公表された厚生労働省の調査で分かった。前年度は約127億円で、1年間で319億円の急増。過去最高の数値となった背景には、「働き方改革」が影響しているという。

 厚労省によると、割増賃金を支払わなかった企業(1企業で合計100万円以上の不払いが対象)は1870(前年度比521増)で、対象労働者は20万5235人(同10万7257人増)と、いずれも過去最多を更新。割増賃金の不払い総額はこの10年間、120億円前後で推移しているが、29年度は異常な急増値を示した。

 厚労省によると、働き方改革で、残業や賃金の見直しが急速に拡大し、企業の改善の意識が高まっている。監督指導の対象となった企業では、タイムカードやパソコンのログ記録と実働時間との隔たりがないか確認するなど、対策が行われているという。


東京-埼玉87円の最賃格差で1か月タダ働き?!〜白百合クリーニングでは

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東京-埼玉87円の最賃格差で1か月タダ働き?!〜白百合クリーニングでは

レイバーネツトより引用掲載

 

 

この短いビデオを見て、東京多摩と近郊地域の最低賃金格差を考えてください。
https://youtu.be/b9KZaHpVDKk

東京多摩から埼玉に100店舗以上を展開する、白百合クリーニングというチェーン店では、パート従業員がそれぞれの地域の最低賃金で働いています。同じ企業で同じ仕事をしているのに、東京の店舗に勤務すると時給958円埼玉の店舗で勤務すると時給871円です。(平成29年10月1日改定)

東京の店舗で働いていたパート従業員が、仮に埼玉の店舗に移動になると、自動的に給料が下がる賃金制度です。この時給87円の差は、一日8時間働くと696円の格差になります。1か月21日一日8時間勤務すると、ひと月で14.616円、1年では135.392円にも格差が広がるのです。

このクリーニングチェーンの埼玉店で1日8時間1ヶ月21日間働いた場合の賃金が146.328円です。これでは1か月タダ働きするも同然です!

わたしは東京と埼玉の境目にある市に住んでいます。勤めるとしたら埼玉で働くほうが、のんびり通勤できそうな気がしますが、賃金的に、1ヶ月タダ働きなんてゴメンです。

埼玉の県立高校授業料の年額が118.880円ですから、年間135.392円の格差は家計的に甚大です。……こうなると、こんなバカバカしい差があるなら、無理して東京都内に働きに行くか、働かずに節約するかと主婦は悩みます。

タダ働きは勘弁!と、埼玉で働く人が減ればこのクリーニングチェーンでは、ますます埼玉店の人員が足らなくなり、今いる従業員がさらなる過重労働に悩むことになってしまうでしょう。

ビデオは「最低賃金大幅値上げキャンペーン」に参加する三多摩労働組合が出演、制作しました。この労組が抱える地域には、最低賃金で働く職場が、23区に比べてはるかに多く、「多摩湖」を超えると賃金が変わると言われています。そしてパート労働者にとっては、最低賃金が実質賃金といえる現状です。(北穂さゆり)


無期雇用まで「あと1日」の雇い止め、無効訴え日通を提訴…原告「娘は涙を流した」

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無期雇用まで「あと1日」の雇い止め、無効訴え日通を提訴…原告「娘は涙を流した」

7/31(火) 14:59配信より引用掲載

弁護士ドットコム

有期雇用から無期雇用に転換する直前に、物流大手・日本通運から不当な雇い止めにあったとして、日本通運川崎支店で事務職として働いていた神奈川県在住の男性(38)が7月31日、日本通運を相手取り、従業員としての地位があることの確認を求める訴えを横浜地裁川崎支部に起こした。

●契約更新4回、働きぶり評価されるも

訴状によると、男性は2013年7月1日、日本通運川崎支店に事務を担当する契約社員(1年更新)として採用された。契約更新は4回され、通算した契約期間が5年となる前日の2018年6月30日で雇い止めにより、退職となった。(男性は2012年9月から派遣で川崎支店で働き、その後、2013年7月から日本通運による直接雇用に切り替わっていた)

労働契約法18条は、通算した契約期間が5年経過すれば、労働者側に「無期転換の申し込み権」が発生することを定めている。使用者側は、申し込みを拒むことはできない。このため、無期転換ルールを逸脱する雇い止めがいくつもの企業や大学で横行しているとして、同種の訴訟が各地で起こされている。「2018年問題」とも呼ばれ、厚労省も警戒している。

●「全社的な方針」が壁となり、雇い止めに

もともと、男性が当初結んだ有期雇用契約では、「当社における最初の雇用契約開始日から通算して5年を超えて更新することはできない(契約更新上限2018年6月30日)」と記された「不更新条項」が入っていた。ただ、そうであっても、実際に契約更新が重ねられ、契約更新への合理的な期待がある場合は、更新拒絶は無効だと主張している(労契法19条)。

男性の働きぶりは評価され、上司からこれまでに、「不更新条項の上限を超えて、事業所に残ってほしいと考え動いており、信じてほしい」や「不更新条項に関わらず長期間働けるように動いている」などの言葉をかけられたとしている。最終的には、「雇い続けたくても会社の全社的な方針により雇い止めせざるを得ない」という趣旨の説明を受けたという。

提訴後、東京・霞が関の厚労省クラブで開いた会見で、男性は「心中を察して娘は涙を流していた。このまま泣き寝入りはできない」。代理人を務める川岸卓哉弁護士は「方針ありきで、無期転換ルールの趣旨を真正面から否定するものだ。違法だという判断が出ると考えている」と述べた。

日本通運の広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に、「訴状が届いていないため、コメントできない」と答えた。


女性3人が労働組合を結成!雇い止めを撤回!

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女性3人が労働組合を結成!雇い止めを撤回!
東京東部労組個人タクシー協同組合葛飾第二職員支部結成

レイバーネツトより引用掲載

 



 東京・葛飾の個人タクシー運転手でつくる東京都個人タクシー協同組合葛飾第二
支部(池上精一支部長)で雇用されている女性の事務職員3人が、雇い止めの撤
回などを求めて労働組合を結成し、7月11日に組合結成を使用者に申し入れ、そ
の場での団体交渉で雇い止めの撤回を勝ち取りました。

3人が作ったのは「全国一般東京東部労組個人タクシー協同組合葛飾第二職員支
部」(佐藤さなえ執行委員長)。最大の要求は組合員の雇い止め撤回でした。3
人のうち定年後の再雇用として働いていた白浜組合員は7月4日に使用者である
池上支部長に呼び出され、8月15日をもって雇い止めにすると通告されていまし
た。

その他にも、職員へのパワハラをやめてほしい、有給休暇を法定通りに付与して
ほしい、不払い賃金を支払ってほしい、労働条件の不利益変更を撤回してほしい、
といった多くの要求を抱えていました。そこで職員3人が東部労組に加入し、組
合結成につながりました。

組合結成申し入れでは、組合員3人が東部労組本部スタッフと葛飾地域の労働組
合の共闘組織「葛飾区労協」の三浦議長(東京清掃労組)が同席する中、事務所
で使用者側の池上支部長や他の常務理事らに対し、労働組合結成通知を読み上げ、
12項目にわたる要求書を読み上げて全員で拍手しました。

そのまま最初の団体交渉という形になり、白浜組合員の雇い止め撤回を中心に労
使協議しました。使用者側は当初、経営状況の悪化を理由に雇い止め撤回をなか
なか認めようとしませんでした。

しかし、組合員3人は、「高年齢者雇用安定法で少なくとも65歳までは安定した
雇用を保障しなければならないはずだ」、「経営悪化と言いながら新たに職員を
採用しているではないか」、「20年近くも協同組合のために頑張って働いてきた
白浜組合員の生活や尊厳をどのように考えるのか」と真剣に訴えました。また、
法律を守らず、職員の声に耳を傾けない場合にはストライキなどの争議行為を行
うことも辞さないと迫りました。

その結果、使用者側からの8月15日での雇い止め通告を白紙に戻すことを約束す
る確認書を労使で署名して締結することができました。これまで職場で不満や疑
問があっても我慢するしかなかった労働者が労働組合を作ったことで手にした初
めての「勝利」です。

女性3人の労組は出発したばかりです。今後、多くの困難が予想されますが、団
結の力で打ち勝っていく決意です。みなさんのよってたかっての支援を心よりお
願いします。

東京都個人タクシー協同組合葛飾第二支部に加入されているタクシー運転手のみ
なさん、これを読まれていたら労組結成に至った職員たちの必死の思いをご理解
ください。雇い止めやパワハラなどにおびえることなく、だれもが働きやすい職
場環境をつくりたいという目的です。みなさんのご支援とご協力をぜひお願いし
ます。

そして、労働組合のない職場で働いているみなさん、彼女たちに続いて仲間とと
もに労働組合を作り、彼女たちのように声を上げようではありませんか!東京東
部労組と団結し、労働者の生活と権利を守ろうではありませんか!

(東京東部労組・須田光照)


「本当のしんどさが分かっていたら」――エンジニアの息子を過労死で失った母

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「本当のしんどさが分かっていたら」――エンジニアの息子を過労死で失った母

7/9(月) 8:53 配信より引用掲載

「息子は健康的に仕事を続けたかったんです」。西垣迪世(みちよ)さん(73)は2006年に一人息子をうつの治療薬の過剰摂取で亡くした。システムエンジニアとして働き始めてから4年、休業と復帰を繰り返しながら「もう一度だけ」と頑張っていたさなかだった。迪世さんは労災を申請したが不認定。行政訴訟に踏み切った。
愛する人を亡くした悲しみ、後悔、自責の念。「過労死を絶対に出してはいけない」という思いで闘っている遺族の声を聞く。(フォトジャーナリスト・深田志穂/Yahoo!ニュース 特集編集部)

西垣迪世さん

西垣さんは、2006年1月26日、一人息子の和哉さん(当時27)を急性薬物中毒で亡くした。和哉さんはうつの治療薬を過剰に摂取し、病院に運び込まれたが帰らぬ人となった。

「あんなに夢を見て仕事に行きましたのに、仕事のためにうつになり、うつの治療薬の副作用で息子は亡くなってしまった。私は命に代えても息子を守りたかったけれど、果たせなかった」

和哉さんは神奈川県内の会社の寮で暮らしていた。亡くなる前日、迪世さんのもとに和哉さんから電話がかかってきた。和哉さんの体調がよくないことを知っていた迪世さんに、病院に行ったことを報告する電話だった。

「『どうだった?』って聞いたら、『たいしたことないって言われた』って。『よかったね、無理をしないようにね』と言ったら、『うん、分かった』と」

和哉さんと、病気で亡くなった教え子たちを思って、慰霊の木を植えた(撮影:深田志穂)

翌朝、和哉さんに電話を掛けたがつながらなかった。職場からも何度か電話を入れた。

「それまでにも(うつの症状で)起きれないことはままありましたから、寝かせてやるのも大事かなと思ってだいぶ待ちました。でもお昼になって、遅すぎる、どうしたのだろうと思って、(寮の)管理人さんに連絡をしました」

和哉さんは自室で高熱で倒れていた。救急車が呼ばれた。迪世さんは看病するつもりで、神戸市内の自宅から新神戸駅へ向かった。新幹線に乗ろうとした瞬間に携帯電話が鳴った。医師は言った。「もうずいぶん長く心肺蘇生をしていますが、息子さんの心臓は動きません。治療をやめてもいいですか」

「私はなにがなんだかわけが分からず、『先生、それはやめないで、息子を助けてください』と言いましたが、新幹線はトンネルに入ってしまい、電話は通じなくなってしまいました。私はそれ以上何もできなくて、ただ呆然としていました」

迪世さんが和哉さんと対面したのは警察署だった。

「息子はもう冷たくなっていて、抱きしめてあげようにも体は冷やすための分厚いもので覆われていて触れず、息子の冷たい顔だけ何度もさすって、名前を呼びました」

和哉さんの死が自死か事故死かは不明である。

労災不認定、「裁判をするか、諦めるか」

高校教師だった迪世さんは、女手一つで一人息子の和哉さんを育てた。

「元気な子でした。クラスではみんなを笑わせていたようです。いつも友だちや小さい子も連れて外で遊び回っていました」

小さいころの和哉さん(撮影:深田志穂)

2002年春、和哉さんは神戸市内の専門学校を卒業すると、神奈川県川崎市に本社のある富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)にシステムエンジニアとして就職した。富士通SSLは、ソフトウェアの販売と、クライアントのニーズに合わせたシステム開発や運用サービスの提供を行う会社だ。クライアントには官公庁や大手企業が含まれる。

2003年4月、和哉さんは民放テレビ局の地上波デジタル放送のオペレーションシステムを開発するプロジェクトに配置された。同年12月1日の地デジ導入開始が目前だった。

母と息子は1日に1度は電話で連絡を取り合っていた。たいていは朝。出勤する前に互いに元気でいることを確認した。

地デジプロジェクトに配置されてしばらくすると、和哉さんは「眠れない」「なかなか起きられない」と訴えるようになった。

5月に迪世さんの父が亡くなり、和哉さんは葬式のために帰省した。しかし和哉さんは通夜に出ることができなかった。

「『少し寝かせてくれ、少ししたら起こしてな』と言うて寝たんですけれども、起きられないんですね。『通夜は俺、無理や。明日行くから今日は寝かしてくれ』と言いました。本当に疲れているんだなと思いました。そのころはまだ、葬儀で会ったいとこたちに『こんな仕事をしているんだ』と誇らしげに話をしておりました」

和哉さんの遺品(撮影:深田志穂)

時が経つほど、和哉さんは起きられない日が増えていった。ある日、和哉さんは「実は今、仕事休んでるんだ」と言った。

「どうしたのと聞いたら、体がしんどくて眠たくて、でも眠れなくて……というふうに、病名ははっきり言わなかったんですね。私が『睡眠障害みたいなものなの?』と聞くと『そんなものだ』と。実際は抑うつ状態だという診断を受けていたようです。それはあとで分かりました」

和哉さんは2003年11月に休業した。2004年2月に復帰するが、その後も抑うつ感情や不眠に悩まされる。2005年8月、2度目の休業。11月に再び復帰するが、2006年1月26日に亡くなった。

迪世さんは同年4月に川崎北労働基準監督署に労災申請をした。ところが、翌年12月に不支給処分が下された。労災と認められなかったのだ。

「私は、労基署というのは被災者と国との間に立って、本当に労災に当たるかどうか、公平に調べてくださる機関だと思い、相談いたしました。ところが残念ながらそうではありませんでした。これは無理だよと放っておかれたり、息子のお友だちが仕事のきつさを証言してくださっているにもかかわらず、会社がたいした仕事ではないと言った、その主張のみを取り入れたり」

和哉さんが小学校4年生の時に描いた「お母さん」の絵(撮影:深田志穂)

迪世さんは、行政不服審査制度に従って神奈川労働局に審査を請求したが、棄却された。さらに厚生労働省の労働保険審査会に再審査を請求したが、それも棄却された。

「3度の不認定が出ますと、私たち遺族に残されているのは、裁判をするか、諦めるか、その二つしかないのです」

過労死弁護団全国連絡会議幹事長を務める川人博弁護士はこう言う。

「労災として認められなかったのは、行政の問題です。労災行政は柔軟に運営されているとは言えません。(西垣さんの事件の)当時に比べれば少し良くなっていますが、業務と死亡との因果関係の判断が適切でなかったり、一つ一つの仕事上のストレスを過小評価したりする傾向は今もあります。そのため、少なくない方が不支給処分を取り消すための裁判を行っています」

迪世さんは、2009年2月、国を相手取り労災不支給処分の取り消しを訴える裁判を東京地裁に起こした。

「存在価値がない」うつになったSEの悲鳴

裁判で明らかになったのは、システムエンジニアの仕事の過酷さだった。和哉さんが発病するきっかけとなったプロジェクトの作業場は、都内のオフィスビルにあった。約900平方メートルのフロアに三百数十席、1人当たりの作業スペースはノートパソコン1台分程度だった。これは労働安全衛生法に基づく省令である「事務所衛生基準規則」が定める1人当たりの気積(人が呼吸などに利用できる空気の量)を満たしてはいたものの、二酸化炭素濃度は基準値を大幅に超過していた。長時間の残業も多かった。迪世さんはこう言う。

「終電に間に合わせようとみんな必死で仕事をしたそうです。間に合わないと作業場に泊まったんだそうです」

和哉さんが最後に使っていたパソコン(撮影:深田志穂)

タクシーで帰るには作業場は寮から遠すぎた。作業場には簡易のベッドが設置されていたが、必ずしも自由に使用することができたわけではなく、若いメンバーは仮眠を取る際、椅子をいくつか並べてその上で横になったり、自席で机にうつぶせになったりすることが多かったという。

「ある時は、朝5時過ぎになってやっと携帯にメールが入りました。『仕事が終わって、寮に帰ってきたところだ。ひと眠りしたらすぐに戻る。そうしないと間に合わない』というふうに言っておりました」

和哉さんは数人の友人たちと共同でブログを持っていた。そこにはこんなことが綴られていた。

〈日本人ってなんでこんなに働くのでしょうかね。わかりきってたことですが、鬱の原因は確実にお仕事ですね。何も手につかない。何もする気がしない。ただひたすら焦燥感や倦怠感、嫌悪感を薬で抑えるだけ。薬の効き目もどんどんなくなってる感じがする。困った。これからどうしよう。〉

〈自分には存在価値がない。これがどれほど痛いことなのか。これから先それと仲良く生きていける自信が全くありません。生きてるんじゃなくて死んでないだけ。何のために生きてるんですか?「死」ではなく「生きているのが無理」という闇が心を支配します。はっきり言ってその感覚が怖くて怖くて仕方がないのです。これから先が何も見えません。4年間も何をしてたんだろう。死にはしませんが。さすがに仲良く優しくしてくれた人に失礼なので。もし一人なら簡単に死んでしまいそうです。〉

和哉さんの同僚からもらった写真をもとに迪世さんが描いた絵。「息子は仕事を続けたかったんです。それを描きたかった」(撮影:深田志穂)

〈今の仕事どう考えても一人じゃ辛いんですよね。自分はだめだ。何もない。生きてる価値が見つからない。答えはいつまでたっても見つからない。死ぬ根性もなく、消えてなくなりたいと思えど何も行動をおこせず、もう自分の手に負えないってことがわかった気がする。今の状態が本当に本当に嫌になった時、俺は死を選ぶと思う。〉

和哉さんが亡くなった後、和哉さんの専門学校時代の友人が迪世さんの自宅に集まった。彼らは口々に打ち明けた。「おばちゃん、僕らもみんなうつやねんで」

和哉さんが就職してはじめて神戸に帰ってきた時のことを、迪世さんは思い出す。和哉さんは「俺よりできるやつが1人だけいる」とうれしそうだった。2人は親友になり、「世界につながる仕事がしたい」と語り合っていた。その親友も2004年にうつに罹患した。迪世さんは言う。

「『自分には存在価値がない』というのは、うつになったシステムエンジニアの悲鳴じゃないでしょうか。2度目の休業をして、私が『もう仕事をやめて神戸にいたら』と言った時も、息子は『もう一度だけ戻ってみる』と言いました。うつから完全には立ち直れない中で仕事をしていたわけですから、かわいそうな状態だったと思います。でも、私には本当のしんどさは分かりませんでした。システムエンジニアはみんなうつになるんだ、西垣くんはまだ大丈夫だと言われて、それならばもう少し息子を応援するしかないのかな、黙って見ているしかないのかなと思っていました。本当のしんどさが分かっていたら家に連れ帰っていた」

はじめてのボーナスでネックレスをプレゼントしてくれた(撮影:深田志穂)

労働環境改善は「終わらない取り組み」

2011年3月、東京地裁は迪世さんの主張を認める判決を下した。被告の国は控訴せず、労災を認める判決は確定した。

会社とも和解が成立した。その際、富士通SSLは、迪世さんの要求に応じて、労働環境の改善に取り組むことを約束している。現在、同社ビジネスマネジメント本部長を務める仙田健取締役は「人事制度の見直し、職場環境の改善、管理職を中心とした意識改革の三位一体で改善を続けています」と話す。

「例えば、積み立て休暇を取りやすくしたり、コアタイムを短くして柔軟に働けるようにしたり。有給休暇の取得率は80パーセントを超えており、直近の目標として90パーセント超、将来的には100パーセントを目指して取り組んでいます。またICT(情報通信技術)やセキュリティ環境を整備し、在宅ワークやテレワークの施策も進めています」

システムエンジニアは客先で業務に従事することも多いが、そういった外勤先を訪問して、社員がどういう環境で働いているかを見せてもらうこともしている。

「働き方の改善は単独で行うには限界があります。社会的にも多様な働き方を受容する流れになってきており、弊社のお客様にもそれが必要であると認識していただいている。ということになれば、アクセルが踏みやすいんです」

2017年4月には「富士通SSLグループ健康経営宣言」を採択、社員の健康を大切にした経営に取り組むことをトップメッセージとして発信した。

「その背景の一つには、東京オリンピックが開催される2020年に向けて、IT業界でも受注が増えていることがあります。そうするとどうしても、それをこなすために社員に負担をかけてしまいがちですが、それを戒めるという意味もありました。(西垣さんの件は)弊社としても残念でしたが、これを機に改善を続けています。これは終わることのない取り組みだと思っています」

前出の川人さんはこう言う。

「社員が亡くなった時に、それが重大な問題だと気づいている会社は多くありません。自発的に改善に向かうことは残念ながら非常に少ない。ただ、遺族が、自分の家族が亡くなったのは仕事のせいであると会社に対してプロテストして、状況の改善を要求した時に、それを受け止めて改善する会社は増えてきていると思います」

迪世さんは現在、兵庫過労死を考える家族の会共同代表を務める。会社さえ息子や息子の友人たちを、きっちりと健康を守って働かせてくださっていたら……という思いは今も消えない。

「母の老後に愛する息子はいません。若い人たちの働く権利と生きる権利を保障できる日本であってほしいと切に願っています」


連載:「過労死・過労自死」遺族に聞く

「働き方改革」関連法が成立した。残業時間の規制などが盛り込まれているが、高度プロフェッショナル制度の導入などには「過労死を増やしかねない」との懸念の声も多い。「過労死を絶対に出してはいけない」という思いで闘っている遺族の声を聞く。


深田志穂(ふかだ・しほ)
フォトジャーナリスト。東京都生まれ。上智大学卒業後、渡米。ニューヨークで広告、ファッション業界を経て、フォトジャーナリストとして独立。ニューヨーク、北京を経て、現在は東京とボストンを拠点に取材をする傍ら、ディレクター、プロデューサー、シネマトグラファーとして活動する。

[写真]
撮影:深田志穂
写真監修:リマインダーズ・プロジェクト 後藤勝
[本文構成]
Yahoo!ニュース 特集編集部

最終更新 7/9(月) 10:28


29歳新入社員の死亡、さいたま労基署が過労死と認定 ラーメン店で長時間労働、直近1カ月の休日1日

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29歳新入社員の死亡、さいたま労基署が過労死と認定 ラーメン店で長時間労働、直近1カ月の休日1日

7/4(水) 23:38配信より引用掲載

 

埼玉新聞

 

 埼玉県北本市のラーメン店に勤務していた新入社員の男性=当時(29)=が2011年9月に急性心不全で死亡したのは、長時間労働による過労死だったとして、さいたま労働基準監督署が労災認定していたことが、4日までに分かった。男性は入社から約半年、正社員登用されてから3カ月で死亡した。直近1カ月の総労働時間は約257時間で、深夜労働による残業は約89時間、休日は1日しかなかった。

29歳男性過労死、過酷な深夜業務「仕事辞めたい」 退勤時間後も仕事…隠れ残業や隠れ出勤、常態化か

 遺族や代理人の佐渡島啓弁護士(埼玉弁護士会)によると、亡くなったのは北本市に住んでいた片桐政男さん。松富士食品(東京都)が同市内で営業しているラーメン店「ドン―キタモト」に勤めていた。片桐さんは11年3月に契約社員として入社し、7月に正社員採用。主に調理業務に従事していた。長時間労働が続いた同年9月30日未明、深夜に帰宅した後、急性心不全により死亡した。

 労基署の調査結果によると、片桐さんの死亡まで直近1カ月(8月31日〜9月29日)の総労働時間は約257時間で、残業は約89時間。午後4時ごろから翌午前2、3時ごろまでの深夜業務がほぼ毎日続き、休日は9月12日のみだった。前月の総労働時間は約232時間、残業は72時間だった。

 同店には従業員が10人ほどいたものの、常時いる正社員は1〜2人で、片桐さんは新入社員にもかかわらず売上金の管理など責任のある仕事を任されていたという。

 遺族は13年6月、死亡は長時間労働によるものとして、労働者災害補償保険法に基づき、さいたま労基署に労災と遺族補償年金を申請。15年3月、労災と認定され、支給が決定した。しかし、労働時間の認定や支給額の算定方法に重大な誤りがあるとして審査請求。2度にわたって棄却されたため、昨年1月、支給決定処分の取り消しなどを求めて、東京地裁に提訴している。

 代理人の佐渡島弁護士は「若い社員が頑張りすぎて、誰もブレーキをかけられず放置された。深夜のシフトは過酷であり、売上金の管理など相当の責任も持たされていた」と指摘。「指導する側はしっかりと休ませたり、昼夜に適切なシフトを入れる必要がある。社員を育てるためというなら節度を持ち、どういう働かせ方がいいか考えてほしい」と話した。

 松富士食品は「担当者が不在で答えられない」としている。


「ゴンチャロフ」過労自死 20歳男性に労災認定 西宮

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「ゴンチャロフ」過労自死 20歳男性に労災認定 西宮

7/5(木) 14:12配信より引用掲載

神戸新聞NEXT

 洋菓子メーカー「ゴンチャロフ」(神戸市灘区)の工場に勤務していた前田颯人さん=当時(20)=が2016年に自殺したのは、長時間労働とパワーハラスメントが原因として、西宮労働基準監督署は5日までに労災認定した。

【写真】友人とのメール画面。下が颯人さんからの返信

 代理人の八木和也弁護士らによると、前田さんは2014年4月に入社。神戸市東灘区の工場でチョコレートやゼリーの製造に携わっていた。15年9〜12月は月87〜109時間の超過勤務があった。

 また、上司からあいさつを無視されたり、暴言を吐かれたりするなどのパワハラを受けたという。颯人さんは16年6月、同区のJR摂津本山駅で快速電車に飛び込み亡くなった。

 母親の和美さん(44)=芦屋市=は17年9月、「長時間労働とパワハラでうつを発症していた」として、西宮労働基準監督署に労災補償を申請。西宮労基署は5日までに、自殺は長時間労働とパワハラが原因だとして労災認定した。

 和美さんは「あなたが悪いんじゃない、と息子に伝えたい」と悲痛な思いを語った。(末永陽子)


上司「成果ないのに帰るな」大東建託に是正勧告

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上司「成果ないのに帰るな」大東建託に是正勧告

7/4(水) 11:23配信より引用掲載

 

読売新聞

 

 元社員に労使協定(36協定)の上限を超える残業をさせたなどとして、不動産開発大手・大東建託(東京)の神奈川県内の支店が、川崎北労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。

 同社によると、神奈川県内の支店では残業時間の上限を月70時間とする協定を結んでいたが、昨年10月、元社員の20歳代男性の残業時間は97時間に達していた。同年10〜11月、残業代の不払いも約10万円分あった。同支店は残業代の不払いについて、2016年5月にも同監督署から是正勧告を受けていた。

 元社員は昨年6月に入社し、同年12月に退社。3日に東京都内で記者会見を開き、「上司から『成果が上がっていないのに帰るな』と責められ残業が増えていった」と話した。

 同社広報部は「不適切な労務管理については是正するよう注意、指導していく」としている。

 

 


誰も望まぬ「高プロ」自民強行の構え!〜6.26国会前行動

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誰も望まぬ「高プロ」自民強行の構え!〜6.26国会前行動

 

レイバーネツトより引用掲載

 

 

 6月26日午後7時半、国会前に「高プロ反対」「過労死許すな!」などのプラカードが立ち並び、集会が始まった。呼びかけたのは最低賃金の問題などに取り組む「エキタス」。立憲民主党で厚生労働委員会の石橋参議院議員が法案の審議状況を報告。「いったい誰のための法案なのか、高プロ制度は過労死促進にならないか、厚労省は全くその疑問に答えていない。にもかかわらず自民党は採決のみを主張していた」。加藤厚労大臣に問責決議をかけこの日の採決にはならなかったが、自民党は強行採決の構えだ。

 社民党の福島みずほ参議院議員は「誰も“高プロ”など望んでいない。ニーズはない。誰が望んでいるのか。経団連だけ。労働時間の規制のない労働者を誕生させてはならない。過労死を生んでしまいかねない“高プロ”を“多様で柔軟な働き方”と言う総理に労働行政をやる資格はない」と話した。

 「全国過労死を考える家族の会」の中原のり子さん(写真下)は「私の夫は高度プロフェッショナル労働制度のさきがけのようなかたちで過労自殺した。労働者のやりがい搾取だ。休日も深夜も働かせて残業代を払わない、労働者の未来を奪う働かせ方だ」と訴えた。NHKの報道記者で過労死した佐戸美和さんの母・佐戸恵美子さんは「これ以上地獄の苦しみを味わう遺族を増やしたくない。“高プロ”を何としても撤回させよう」と訴えた。

 「安倍さん!過労死遺族と面会してください」と叫ぶ家族会の方たちの叫びを政府は受け止めるべきだ。「長時間労働なくせ!」とか「働いた分のカネ払え!」とか当たり前のことを国会前で叫ばなければならない事自体がおかしい。集会の最後に「エキタス」の山本さんは「安倍首相は、労働者を守るなんて気はさらさらない。今でも日本では長時間労働が横行している。黙ってあきらめているわけにはいかない。ウチらが求めているのは、だれもが生活するのに十分な賃金が長時間働かなくとも得られる、そんな働き方だ。“高プロいらない”ってでかい声で言ってやりましょう」としめくくった。 〔尾澤邦子〕


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