日動外勤争議 | 奈労連・一般労組支援 上田公一

解決報告集

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解決報告集
「日動外勤のたたかいを語る」組合員に配布

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 この2月に解決した日動外勤のたたかいの解決報告集「日動外勤のたたかいを語る」が完成しました。
内容概略は以下の通りです。


内容紹介(全243ページ)
フォトストーリー フォトストーリー
たたかいのはじまりから解決までの足跡を年ごとに写真で伝えています。
シンポジウム シンポジウム
4月17日に行われたシンポジウムの発言内容全体を記録しています。パネリストは、牛久保秀樹氏(弁護団代表 新宿綜合法律事務所)、本間照光氏(鑑定意見書を執筆 青山学院大学経済学部教授)、小田川義和氏(全労連・国民春闘共闘委員会事務局長)、浦上義人(全損保書記長)、コーディネーターは吉田有秀(全損保委員長)です。
原告団41名のメッセージ 原告団41名のメッセージ
原告団41名全員のメッセージを掲載しています。
たたかいのはじまりから解決までの足跡を年ごとに写真で伝えています。
関連資料 関連資料
東京地裁判決文、鑑定意見書、実効確保の措置勧告、各種見解や声明を掲載しています。
たたかいの系譜 たたかいの系譜
たたかいの全体像、年表が掲載されています。
 吉田委員長は巻頭言で「このたたかいを記憶し、労働組合に確信を」とよびかけ、原告代表の日動外勤支部佐藤委員長は「和解は大きな到達点 皆さんの支援に感謝」と述べています。内外の大きな支援を得て、道をきりひらいた日動外勤のたたかい。また、この冊子を通じて、あらためてその意義を確認し、今後の運動につなげるため、解決記念として、全損保全組合員に配布されます。なお、関係各位には謹呈させていただく予定です。ご支援にあらためて感謝申し上げます。


弁護団声明

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弁護団声明

 東京海上日動事件は、東京高裁第5民事部において、本日(平成22年2月3日)和解が成立して解決した。その内容は、原告団が、正社員として、引き続き保険募集業務に従事することを保障し、その労働条件は、会社が大きく踏み込む内容となった。

 和解手続では、当初から、小林克己裁判長は、正社員として保険募集に従事しうることを目指して進行させたいと表明してきた。そのことが、この和解の前提であり、基本的精神であることは、和解成立にあたり、あらためて裁判長から確認された。和解内容では、定年後もシニア社員として、保険募集に従事し、退職後、個人で代理店を開業する場合も、従来の保険契約を継承できることが合意されている。

 和解内容の基本は、別記、和解内容骨子に記載したとおりである。具体的な労働条件は、会社制度の枠を基本としながら、次のとおり、その枠内で最大限配慮される内容となっている。
 業務内容は、100%保険募集に特化すること、転居をともなう勤務地変更はなく、従来どおり、事業場外みなし労働時間制が採用される。従来の年収が維持される経過措置がとられる。会社が、裁判上、昇給モデルを提示したことを踏まえて、人事考課は公正に行われる。定年後も、シニア社員として65歳まで就労が可能とされている。
 就労の受け皿として、会社は、100%出資の子会社の専門代理店を設立して、その存続に努めることとされた。専門代理店は、会社が、裁判上、「可能な限り効率的で、存続可能性の高い体制の検討」(平成21年9月2日付け上申書)の結果として設立されることとなった。この専門代理店は、設立5年目以降、客観的に存続が困難な状況が生まれたときには、労使協議がなされることとしている。
 結論として、和解内容は、原告団が保険募集に従事することが認められ、職種・勤務地限定契約が維持される。専門代理店への出向は、正社員としての身分を保持したままなされ、労働条件の不利益性は、相当、緩和したものとなっている。

 和解を実現した力は、何よりも、原告団が、闘いに立ち上がり、その闘いを全損保が全面的に支援したことによる。この団結を軸にして、金融、地域、全国と、働く皆さんが応援した。 労働組合が、なかなか、組織全体としては、労働争議を支援しにくい状況の下で、全損保は、個人加盟の単一組合であることの特性を生かして、東京海上日動の闘いをみずからの課題と位置付けた。そのことに弁護団は敬意を表したい。この闘いには、60年という全損保運動、直接的には、東海闘争、朝日闘争の経験が十分に承継され、生かされることとなった。
 闘いのなかで、東京都地方労働委員会における実効確保勧告、労働委員会命令等重要な成果が積み重ねられてきた。中でも、大きな分水嶺となったのは、東京地裁民事36部の勝利判決である。難波裁判長を含めた36部は、外勤社員制度が廃止される前に、事前差し止めを認める判決を出した。会社は、この判決を受けて、高裁に控訴しながらも、特例措置として、原告らの保険募集業務継続を承認した。画期的な地裁判決は、事実と道理にもとづいて展開した訴訟活動の結果である。あわせて、地裁1階の大法廷を含めて、傍聴席が一杯とされるだけではなく、40名を超える原告団が、毎回、当事者席を埋め尽くした力が、裁判所を動かしたとみることができる。
 法廷外の闘いは、弁護団は直接関与しなかったが、原告団、全損保、そして支援の皆さんが、500万枚のビラを配布し続けた。そのことは、近来の労働事件ではなかったことである。その力が、平成21年6月の株主総会で、社長の「踏み込んで解決いたします」との回答に結実している。

 この解決の成果は、誰よりも、損保産業に働く労働者全体のものである。業界再編成という激動の状況の下でも、経営権という会社の主張を許さず、雇用と基本的労働条件を守らせたことは、今後へと繋がる重要な意義を有している。
 これまで、日本の労働運動は、日産プリンス事件等、職種限定労働契約を守らせるための闘いを組んできた。本件では、100%出資の子会社が設立され、正社員の身分を保持したまま就労するという方式で、職種限定労働契約を守らせることとなった。このことは、平成20年に施行された労働契約法を豊かにさせる成果である。
 更に、不況といわれる下でも、闘いによってこそ、雇用と労働条件は守られ、また守れたという結果は、この国で働く労働者全体を励ますものと思われる。

 弁護団には、若い弁護士が参加して、原告団からの聞き取り、証人尋問を担当した。その若々しさもまた、地裁判決にいたる原動力の一つとなった。 また、この和解は、担当された小林裁判長の定年退官日前日に解決されることになる。最後に、この裁判に関わった多くの皆さんに弁護団として感謝を表明したい。

(弁護団 牛久保秀樹、加藤健次、平井哲史、板倉由実、
今井史郎、浦城知子、富本和路、久保田恭章、宗藤泰而)


 

日動外勤のたたかいの解決にあたって

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日動外勤のたたかいの解決にあたって
2010年2月3日
全日本損害保険労働組合中央執行委員会
1. 2010年2月3日、東京高等裁判所第5民事部において和解が成立した。この和解をもって、2004年5月の全損保日動外勤支部分裂以降の不当労働行為事件もあわせ、2005年10月に会社から「通知・提案」された外勤社員制度(RA制度)廃止事件は、細部の労使交渉を残し、解決する。

2. 本和解は、形の上では、RA制度廃止を認めるものであるが、会社出資の「専門代理店」の設立と存続、賃金制度移行にあたって不利益を是正する各種経過措置、適正な人事制度の適用、保有契約の承継などを通じて、裁判をたたかった41名(和解時点の原審原告数)が、正社員として定年退職まで保険募集に専門に従事し、退職後も代理店として保険募集を行っていく条件を整備させるものとなっている。この到達点は、生涯にわたって誇りをもって保険募集を続けるという、本人たちの根源的な要求を会社に受け入れさせたものといってよい。

3. この到達点を切りひらいた力は、何よりも全損保日動外勤支部組合員のたたかいにある。彼らは、普段は、自らのスタイルや思いにこだわり保険募集をすすめながらも、日動外勤支部を通じた団結を何よりも大切にし、武骨ではあっても、この支部にしかできないたたかいを形にした。
 たたかいは、社会にこの問題を伝え、経営者を世論で包囲するなかで、解決を決断させることをめざした。2007年4月には、「手渡し&ポスティングビラ」のとりくみをスタートし、休日を利用し、全損保組合員や転進した仲間も支える中で、一枚でも多くのビラを届けようと全力をあげた。東京では23区全域への配布が目標とされ、毎年、「全損保一斉行動日」も設定された。その結果、累計で516万枚以上のビラを配布するという近年の労働運動では異例の峰を築き、社会的な反響はかつてなく広がった。また、本人たちの肉声を裁判所に直接伝えるため、全員が、保険募集にかけた思い、制度廃止へのくやしさをぶつけた3度にわたる陳述書、本人・家族の肉筆の手紙を裁判所に提出した。また、本人たちは勿論、全損保内外の仲間、友人・知人などから、東京地裁・高裁裁判長あての「手書き要請ハガキ」が一枚一枚積み重ねられ、最後には20000枚に達した。本人と仲間の願いを込めたはがきが、毎日10枚以上、直接裁判長に届けられたことになる。日産センリュリー証券不当労働行為事件、AIGスター生命嘱託社員雇止め解雇事件とともにたたかった「金融3争議共同行動」は、「株主総会総行動」、半日・終日の「要請待機行動(座り込み)」、丸の内デモも含め、毎月、計32回の本社前行動を続けた。毎年6月の東京海上ホールディングス株主総会では、このたたかいの要求だけでなく、「不払い・取りすぎ問題」や募集網の効率化政策に関わる経営責任も追及し、参加した他の株主、代理店にも共感を広げていった。
 このようなたたかいを通じて世論が大きく広がるなか、昨年6月の株主総会では、社長をして「最終段階であり、踏み込んで解決する」と言わしめ、2・5東京海上日動包囲終日行動をかつてない規模で構える中で、この和解は解決に向かったのである。

4. この運動が、9名の弁護団の献身的な努力と結びつき、裁判闘争も攻勢的にすすめられた。2007年3月、私たちは、RA制度廃止を事前に差し止める画期的な東京地方裁判所判決を手にした。経営者は、判決に従わなかったが、「経過措置適用者」という対応をするほかなく、本人たちは、外勤社員として働きながらたたかうことが可能となった。この判決を土台に東京高等裁判所の審理はすすめられ、本人たちの陳述書に加え、本間照光氏、山口孝氏の尽力による鑑定書も得て、経営者の攻撃の不当性は明らかにされ、本人たちの切実な要求は正面から裁判官に伝えられた。また、東京都労働委員会、中央労働委員会においては、RA制度廃止問題と密接に関連しながら手続きがすすめられ、重ねて不当労働行為救済命令が下された。これらが一体の力となって和解協議はすすめられた。

5. この結果は、再編「合理化」情勢が再び深まる損保産業において、経営者が、「経済合理性」を尺度に、従業員に犠牲を転嫁し、一方的に効率化をおしすすめることを厳しく戒めるものとなっている。募集網の効率化競争にも一石を投じ、とりわけ、確定される東京地裁判決に象徴されるように、安易な外勤社員制度廃止は断じて許されないということを明確にしたことは極めて重要な成果である。また、新自由主義が反省され、今後の政治や経済のありかたをめぐるせめぎあいが続くこの国の現状をみるとき、このたたかいが、国民・労働者が大切にされる時代を築くための1歩となっていることにも確信を持ちたい。

6. 以上のたたかいは、本人たちだけでなく、制度廃止の中で代理店に転進していった仲間、全損保各支部・地協の多くの組合員が自分たちのたたかいとして結集し、国民春闘共闘、全国金融共闘などのたたかう仲間に大きな支援の輪が広がる中で前進した。本人たちは、その支援を背に、新たな人生に船出していくことになる。支援をしていただいたすべての方々に心から感謝を述べるとともに、本人たちには、このたたかいを力に保険募集の仕事を全うできるよう、さらなる団結と奮闘を求め、「日動外勤のたたかい」を、結成60周年を迎えた全損保の歴史に新たに刻みたい。

以 上
 

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