セクハラ | 奈労連・一般労組支援 上田公一

セクハラ対応「LGBTも対象」企業向け指針改正へ

JUGEMテーマ:社会の出来事
 

セクハラ対応「LGBTも対象」

企業向け指針改正へ

朝日新聞 2016年5月25日より引用掲載

 

 性的少数者へのセクシュアルハラスメントにも対応する義務が企業にあることを明確にするため、厚生労働省男女雇用機会均等法によって定められている指針を見直す。今でも企業には対応する義務があるが、明文化して周知をはかる。

 厚労省が25日の審議会で指針の改正案を示した。この指針は、企業に対してセクハラへの対処方針を就業規則に定めたり、相談窓口を設置したりすることを義務づけている。今回、対象のセクハラが「被害者の性的指向や性自認にかかわらない」と新たに明記する方針だ。

 LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)ら性的少数者へのセクハラについて、企業は今でも指針にもとづいて対応する義務があるが、厚労省によると、性的少数者が相談窓口に行っても取り合ってもらえない例があるという。

 この日の審議会で異論はなく、来年1月から適用される見通しだ。性的少数者が働きやすい職場づくりをめざすNPO法人「虹色ダイバーシティ」の村木真紀代表は「職場で同性愛者をからかうのを聞き、居心地が悪くなる人もいる。日本では性的少数者へのセクハラの意識が低いが、性の多様性を前提にした企業の対応が進んでほしい」と話す。(末崎毅)


なかまユニオンの井手窪です。

 なかまユニオンの井手窪です。


レイバーネット日本より引用掲載



 セクハラ事件と組合活動妨害訴訟に対する闘いにご支援お願いします。

 株式会社ノバレーゼは全国に直営の結婚式場やレストランを持つ一部上場のブライダル
企業です。女性の社員も多く、「女性が活躍している優良企業」と評価されています。同
社の子会社である株式会社MARRY MARBLEは、神戸市の旧居留地に神戸本社をおくブライダ
ル業界の映像演出・写真撮影、子ども写真館等を手がける会社です。

 MARRY MARBLEは、一昨年6月「研修」と称して京都の会員制ホテルに女性社員を宿泊させ、往路の車中から女性社員に飲酒させ続けた末に、2名の女性社員に対して重大なセクハラ事件(準強制わいせつ事件)を起こしました。その結果、被害女性2名は精神失調を
きたし、以降就労不能となりました。女性に対する性暴力であり人権侵害です。

 この「研修」には、MARRY MARBLE社の社長に加えてノバレーゼ社の社長も参加していました。

 なかまユニオンは、両社に対して団体交渉を申し入れ、真摯に事実を認め謝罪すること
、再発防止策を取ること等を求めてきました。しかししかし、両社は、セクハラの事実を
認めようとせず、逆に、昨年10月には、債務の不存在の確認と、社前行動や抗議ファッ
クスを名誉毀損として、200万円の損害賠償を被害者2名となかまユニオンに求めてき
ました。

セクハラを否定するだけでなく、組合活動を妨害する極めて不当な裁判です。

私たちは、このような不当な訴訟に対して応訴するとともに、セクハラによる損害賠償を
求める反訴状を提出しました。

第3回弁論が神戸地裁で開かれます。

つきましては、被害女性の人権回復と組合攻撃を跳ね返すため、ぜひ、傍聴をよろしくお
願いします。


第3回期日  2016年 3月29日(火)13時15分
一階ロビーに集合 12時45分
法   廷  神戸地方裁判所 228号法廷
裁判終了後、「アステップ神戸」で、報告集会。

http://nakamaunion.jugem.jp/?eid=648#sequel

ノバレーゼ社
http://www.novarese.co.jp/

MARRY MARBLE社
http://www.marry-marble.com/studio-kobe/

 
なかまユニオン Nakama Uniom
執行委員長 井手窪 啓一 IDEKUBO Keiichi
〒534-0024 大阪市都島区東野田町4-7-26-304
4-7-26-304 Higashinoda-Cho,Miyakojima-Ku,Osaka-City
TEL06-6242-8130 FAX06-6242-8131 
HP  
http://www.nakama-union.org/


「セクハラで自殺」サイゼリヤを提訴 バイト女性の遺族

「セクハラで自殺」サイゼリヤを提訴 



バイト女性の遺族

 

 外食チェーンサイゼリヤ」の関東地方の店でアルバイトをしていた20代女性が上司からのセクハラなどを理由に自殺したとして、女性の遺族が21日、上司や会社に約1億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状などによると、女性は既婚の男性副店長(20代)から店内で何度も体を触られたり、自宅に上がり込まれたりし、2014年12月に自殺した。原告側は「正社員をめざす気持ちにつけ込み、職務上の地位や権限を乱用した」と主張。会社も副店長のセクハラ行為を放置し、安全配慮義務などに違反していたとしている。サイゼリヤ広報担当は「訴状が届いていないため回答できない」とコメントしている。

 訴状や遺族らによると、女性は副店長から給与明細に「好きだ」と書き込まれる一方で、女性がほかの社員に指示を仰ぐと無視され、「死ねばいい」などパワハラ発言も受けていたという。さらに副店長は嫌がる女性と4カ月にわたって性的関係を強要。女性は拒み続けていたところ「一緒に死のう」と心中を持ちかけられ、自宅で自殺した。生前、母親や友人に「困っている」と相談していたという。


店員自殺でサイゼリヤ提訴=遺族「上司セクハラ原因」―東京地裁

 

店員自殺でサイゼリヤ提訴=遺族


「上司セクハラ原因」―東京地裁


時事通信 7月21日(火)17時49分配信より引用掲載    


 レストランチェーン「サイゼリヤ」の店員だった女性が自殺したのは、上司によるセクハラなどが原因として、遺族が21日、同社などに計約9800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 
 訴えたのは、関東地方の店舗で働いていた20代女性の両親ら。
 訴状によると、女性は2013年4月にアルバイトとして働き始め、その後契約社員となったが、男性副店長から体を触られるなどのセクハラに加え、罵倒や無視といったパワハラを繰り返し受けた。昨年12月、副店長に「一緒に死のう」と言われ、翌日に自宅で1人で首をつって自殺した。
 遺族は「娘はパワハラの影響で、副店長との性的関係を拒否できなくなっていた」と主張。「店長は副店長の行為を知りながら放置していた」と訴えている。
 サイゼリヤの話 訴状が届いた時点で、弁護士と内容を協議の上、対応する。 


死亡したセクハラ被害者両親が北海道新聞社員を刑事告訴〈週刊朝日〉

死亡したセクハラ被害者両親が


北海道新聞社員を刑事告訴〈週刊朝日〉


dot. 5月21日(木)7時11分配信より引用掲載

   


「娘は死ぬ2日前、6時間にわたって、北海道新聞の非道ぶりと卑劣なセクハラ被害を訴えていました。悔しくてなりません」

 本誌にこう訴えたのは、北海道新聞函館支社(北海道函館市)で嘱託看護師として勤務し、2月に亡くなったMさん(当時40歳)の両親だ。両親はMさんが同社の男性社員2人からセクシュアルハラスメント行為を受けたとして5月7日、函館中央署に刑事告訴(暴行容疑など)した。

 Mさんが亡くなったのは2月21日未明──。函館市の住宅から失火し、2階で倒れていたMさんは帰らぬ人となった。

 本誌はMさん自身がセクハラ被害を記した告発文を入手。それによれば、セクハラがあったのは、昨年12月8日に行われた職場の忘年会の2次会の席だった。

 営業部K次長に「Mさん彼氏いるの」と尋ねられ、「いない」と答えると、「エッチしたい時はどうしているの?」などと迫られ、ソファに押し倒されそうになったと記されている。

 さらに3次会の席でもK次長は「オレにやらせろ、エッチしよう」「男がやりたいと言ったらやらせなきゃダメなんだよ」と言い、Mさんの足をなでまわした上、1時間ほど「軟禁」した、と告発されていた。

 一緒にいた営業部のM氏も「Mさん、愛人なっちゃえば」と言い、その言葉に反応したK次長が、「愛人になっちゃえ」と言い、体を密着させたという。

 この事件後、Mさんは体調不良をきたし、体重が減少、通院を余儀なくされた。そして昨年12月中旬、北海道新聞社内のセクハラ相談窓口に被害を申告。だが、Mさんが納得するような対応は講じられなかった。

 Mさんは生前、道新の責任者へ宛てた手紙を書き残していたが、≪恐怖が今でも脳裏に焼きついており、(略)我慢の限界を超えた≫と綴り、その対応が≪生ぬるい≫と非難していた。

 手紙を書いた5日後、Mさんは亡くなった。両親の弁護士はこう語る。

「Mさんは燃えていない自宅の物置に告発文などセクハラ被害の詳細がわかる資料を段ボールに入れて置いていた。覚悟の死だったようです」

 北海道新聞社経営企画局広報担当は本誌の取材に対し、回答した。

「Mさんの人命が失われていることを重く受け止め、弁護士を交えて、会社としてもMさんが訴えるような事実があったのかについて真摯に調査しています。関係者の聴取内容を踏まえ、弁護士や社内で分析、検討を行い、調査結果は6月ごろまとめる方針で、ご遺族にも結果をお伝えする予定です」

 調査結果の公表は予定していないという。

(本誌取材班=一原知之、小泉耕平、牧野めぐみ、山岡三恵/今西憲之、黒田 朔)

※週刊朝日 2015年5月29日号
 


体を密着、「女盛りやな」発言…上司からセクハラ 京都市の元臨時職員が提訴

体を密着、「女盛りやな」発言…


上司からセクハラ 


京都市の元臨時職員が提訴


産経新聞 5月21日(木)12時32分配信 より引用掲載


 京都市の臨時職員だった30代の女性が勤務当時、上司からセクハラを受けたとして、同市を相手取り、慰謝料など約360万円を求める訴訟を21日、京都地裁に起こした。

 訴状などによると、女性は平成26年6月〜27年1月の契約で、上京区役所の臨時職員として採用された。 26年7月ごろから、50代の男性課長に「女盛りやな。年齢的にも身体的にも」といわれたり、体を密着されたりした。女性はその後、自律神経失調症を発症し、9月末に退職した。

 女性は同月、市に被害を相談。市は27年4月、セクハラ行為を認定したが、課長への処分は書面での注意のみにとどまったという。 女性は「市が速やかに適切な対応をしなかったため、長期にわたって苦しむことになった」などと主張している。

 提訴後に女性は「長い間嫌な思いをしてきたことを市は軽く考えているのでは」と涙ながらに訴えた。

 京都市によると、課長は現在も同じ部署で勤務している。担当者は「訴状の内容を確認した上で対応していきたい」としている。
 


「数字未達なら彼女になれ」 アデランス、社内セクハラ1300万円で和解

 

「数字未達なら彼女になれ」


 

アデランス、


社内セクハラ1300万円で和解


産経新聞 1月20日(火)より


 かつら製造・販売の最大手「アデランス」(東京)の店長だった男性従業員から繰り返しセクハラを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、退職を余儀なくされたとして、兵庫県内の店舗に勤務していた元従業員の女性が同社に計約2700万円の損害賠償を求めた訴訟があり、同社が女性に解決金1300万円を支払うなどの内容で大阪地裁(谷口安史裁判長)で和解していたことが19日、分かった。和解は昨年11月28日付。

 【和解額は異例の高額】

 セクハラ訴訟に詳しい弁護士によると、今回の和解額は同種事案の中でも異例の高額という。

 訴訟記録などによると、同社は解決金の半額650万円について男性従業員に負担を求めるほか、男性従業員の在職期間中、原告が居住する京阪神地域を勤務地や出張先にしないよう努めるなどとする内容。男性従業員は女性の提訴時には関東地方の勤務地に異動していた。

 訴えによると、女性が兵庫県内で勤務していた平成20年3月、大阪市内の店舗の店長だった男性従業員が指導目的で来店。「数字を達成できなかったら彼女になるか、研修もしくは転勤だ」と脅すなどし、無理やりキスをしようとしたり、体を触ったりするセクハラを繰り返したという。

 【繰り返しセクハラ受け、PTSDに】

 女性は警察に被害を届け出ようとしたが、同社の幹部から止められて精神的に不安定になり、休職。22年1月にはPTSDと診断された。同社は女性をいったん特別休暇扱いとしたが、その後に給与の支払いを停止。女性は23年9月に退職した。セクハラについては地元の労働基準監督署が労災認定し、休業補償給付などの支給を決定している。

 女性側の代理人弁護士は「訴訟について答えることはできない」。アデランスは「コメントは差し控える」としている。

 ■セクハラ訴訟に詳しい山田秀雄弁護士(第二東京弁護士会)の話 「近年のセクハラ訴訟は以前と比べて賠償が高額化する傾向にあるが、1300万円という和解額は同様のケースと比べるとかなり高額という印象だ。企業側が厳しい判決を避けて早期解決を図るため、高額の和解に応じたのだろう。ただ、日本のセクハラ訴訟の賠償額は100万〜300万円が一般的で、女性が受ける痛みを考えれば低い。米国での訴訟のような億単位の賠償額は異常だが、女性の被害の重さを知るには今回の和解額は妥当だと思う」


セクハラで西友に賠償命令=元パート女性訴え認める―東京地裁

 

元パート女性訴え認める―東京地裁

 スーパー大手西友の元パート社員の20代女性が、売り場担当だった40代男性社員によるセクハラ行為が原因で退職を余儀なくされたとして、1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、東京地裁であった。沢井真一裁判官はセクハラ行為を一部認定した上で、「会社には職場環境への配慮義務違反があった」と述べ、同社と男性に330万円の支払いを命じた。

 男性は「移動を促すために肩や腰などに触れたことはあるが、セクハラ行為はしていない」と主張したが、沢井裁判官は「女性の供述は具体的で、男性を陥れる動機も認められない」と退けた。

(時事通信) 2014年12月16日より

女性の労働相談、3割がセクハラ・パワハラ・マタハラの相談 - 連合調べ

女性の労働相談、3割がセクハラ・


パワハラ・


マタハラの相談 - 連合調べ


マイナビニュース 7月7日(月)18時7分配信 より引用掲載

連合(日本労働組合総連合会)はこのほど、6月10日〜11日に実施した「女性のための全国一斉労働相談ダイヤル」について、相談内容の集計結果を発表した。同調査は、同団体が実施する「なんでも労働相談ダイヤル」の一環として実施された、女性の職場の悩みやトラブルについての相談内容を集計したもの。

○女性からの相談割合が増加

2日間の集中期間を設けて行った労働相談ダイヤルの中では、過去最多となる677件の相談が寄せられた昨年とほぼ同じ676件の相談が寄せられ、正社員以外からの相談割合が12.1%増加した。

○「セクハラ・パワハラ・嫌がらせ」の相談が多数

女性からの相談内容は、「セクハラ・パワハラ・嫌がらせ」が 26.9%と最も多く、次いで「解雇・退職強要・契約打切」8.0%、「雇用契約・就業規則」7.0%と続き、女性特有の妊娠・出産に関する相談も4.4%と、通常行われている相談よりも多い割合となった。

相談内容は、上司や安定している雇用形態の立場を利用し、理不尽な叱責や暴言を吐かれたというパワハラの相談や、「結婚はまだか」といったプライベートな部分に触れる発言、2人きりになるとキス・体を触る等、卑劣なセクハラ行為に苦しむ女性の相談も目立った。

また、中には30年前に職場でうけた被害相談も寄せられるなど、長い時間が過ぎても被害者女性がなかなか表に出せず思い悩んでいる実態なども垣間見えたという。

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企業内の同性愛セクハラ、なぜ増加?〜被害者は泣き寝入りで退職のケースも

企業内の同性愛セクハラ、なぜ増加?


〜被害者は泣き寝入りで退職のケースも


Business Journal 2月24日(月)18時14分配信 より

 職場におけるセクシャルハラスメント事案はあとを絶たずに発生している。これまでセクハラは異性間にのみ成立するものと考えられてきた。だが最近では、同性間でも成立すると認識が改められつつある。

【詳細画像または図表】

 事実、厚生労働省は昨年12月24日、異性間のみならず同性間の言動でも職場のセクハラに該当することを盛り込んだ男女雇用均等法の改正指針を公布、今年7月1日に施行する運びとなっている。

 では、同性間のセクハラとは、いったいどのようなものなのか。例えば、男性上司が男性部下に対して「男のくせに」と叱責すること、これもセクハラに当たる。ましてや「最近、奥さんと夜の生活どう?」と聞くこと、これはもう完全にアウトだ。

●同性愛セクハラでうつ病になり、退職

 これらは“同性間セクハラ”であるが、近年、増えつつあるのは“同性愛セクハラ”だ。男性同士、女性同士による職場での性的行為を伴う嫌がらせのことで、これは本来、刑法上の強制わいせつ罪、または傷害罪に該当し、厳しく罰せられる行為である。しかし、現時点では、同性愛セクハラによって罰せられた事案は極めて少ない。被害者側が声を上げることがほとんどないこと、また声を上げたとしても、社会の同性愛セクハラへの理解が極めて乏しいことが障壁となっている。

 ある大手コンピュータメーカーに勤務する男性は、勤務時間中、職場の上司から股間を握られるなどの同性愛セクハラを受け、職場のハラスメント対応部署に申し立てたが、「上司・部下間のコミュニケーションの一環ではないか」と申し出そのものを一蹴されたといい、 「まだ同性愛セクハラという概念が社会で浸透していないからでしょうか。会社側の対応はとても残念です」と悔しがる。

 この男性は、その後も度重なる同性愛行為を伴うセクハラを受け、フラッシュバックやうつ症状に悩み、結局、職場を自己都合退職することになった。精神疾患を発症する状況下で、再就職に向けた活動もままならないのが現状だ。

●客観的な証拠がなければ、なかなか動いてもらえない

 こうした同性愛セクハラ事案は、一般企業のみならず官公庁でも頻発しているようだ。とりわけ、その職種上、寝食を共にし、四六時中顔を突き合わせて勤務する警察や自衛隊、消防といった“制服職種”に、その傾向は顕著である。

 昨年7月、東北地方の陸上自衛隊において、当時隊員だった男性が上司から同性愛セクハラを受ける事案があったという。演習後、元隊員がテントで寝ていた際、上司が覆い被さってきて、キスをされたり体を触られたという。

 元隊員は、「目が覚めた時、唇から他人の唾液の味がした。その恐怖感は今でも時折思い出す」と言う。フラッシュバックの症状である。この被害により、この元隊員もうつ症状などに悩まされている。精神科医からは神経衰弱の診断書が出た。


 元隊員はこの同性愛セクハラについて、職場環境の改善および当該行為を行った上司の謝罪を求めて、他の上司に申し立てた。だが、元隊員が望む対応はなされなかった。客観的な証拠がないからだ。元隊員は、「最も許せないのは、同性愛セクハラを行った上司もさることながら、自衛隊側の対応です」という。

 もし、同性愛セクハラの場面を映した動画などがあれば話は違うだろう。確固たる証拠があれば、職場側もそれなりの対応ができるし、せざるを得ない。しかし、そうした客観的な証拠がない以上、職場側としては「あくまでも被害者と自称する者の話」としての対応になる。

●事実を抑え込もうとする自衛隊

 事実を明らかにするには、警察署または自衛隊内の警察組織である警務隊に「被害届」を出す必要がある。しかし、上司らは「もし被害届を出せば、加害者とされる上司に対する名誉毀損に当たる」として、元隊員が被害届を出すことを取りやめさせようとしたという。

 加えて、元隊員は一般企業への転職が決まっており、以前から依願退職を申し出ていたが、「この事案について被害届を出すのであれば退職を認めない」と、圧力をかけてきたと話す。退職が認められなければ、内定を得た企業への入社予定日に間に合わない。元隊員は、今後の進路を考え、同性愛セクハラ被害の被害届を出すことなく自衛隊を退職した。つまり、事実を明らかにする機会を失ったのだ。

 自衛隊側は、この同性愛セクハラ事案をどのようにとらえているのだろうか? 陸上幕僚監部広報室に問い合わせた結果、以下の回答を得た。

「(元隊員が主張する同性愛セクハラ事案について)調査は行いました。本来、セクハラ事案は、規則上、被害申し出の隊員が属する部隊長が解決することとなっています。しかし、この件は陸幕服務室【編註:陸上自衛隊の隊員の規律違反を取り締まる部署】が当該隊員の申し出を受け、上級部隊による調査が適切と判断し、対応しております」

 つまり、自衛隊側は適切な対応を行ったと主張しているのだ。

 ところで、『セクシャル・ハラスメントの防止等に関する訓令 第4条』には、「職員を監督する地位にある者(監督者)は日常の執務を通じた指導等によりセクハラの防止及び排除に努めるとともに、セクハラに起因する問題が生じた場合には迅速適切に問題解決の措置をとる」と規定されており、セクハラ事案が発生した際には、防衛省・自衛隊では、同性愛および異性愛の区分がされていない。すなわち、どちらの場合であっても同様の対応を取ることになっている。

●対応したと話す本社、事実を隠したい現場

 密室で行われるセクハラ事案は、客観的証拠がなければ、真実は当事者同士にしかわからない。

 現在、退職して一般企業に勤務する前出の元自衛隊員男性は次のように語る。

「訓練中の同性愛セクハラは、自衛隊では十分に起こり得る事態です。私が伝えたいのは、自衛隊は『自衛隊というブランド』を守るため、不都合な事実を覆い隠すところがあります。どこの組織でもコンプライアンスの欠陥はありますが、今回の件では、自衛隊は秘密裏に私を去らせることが組織にとっての正義でした。これが自衛隊にとって正常なことなんです」

 自衛隊を一般企業に置き換えても同義かもしれない。

 どこの企業でも、もしセクハラ事案が表面化したならば、企業側のうち、“川上”に当たる本社や広報を預かるセクションは「きちんと対応した」と言うだろう。だが、事案が発生した現場、支社や支店といった“川下”では、どうしても都合の悪いことは隠したい、だからできるだけ事を過少申告する。そして、ひずみが出てくる。

 時代を問わず、自衛隊は日本社会の縮図だといえる。約13万6000人の隊員数を誇る陸上自衛隊は、いわば“伝統ある巨大企業”のようだ。すなわち、ここで起きる問題は、一般企業でも十分起こり得る話である。

 同性愛セクハラ事案発生時、企業はどう対応すべきか。そのヒントが、被害に遭ったという元隊員の証言、陸幕広報室のコメント、双方に含まれているのではないだろうか。

秋山謙一郎/ジャーナリスト


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