春闘 | 奈労連・一般労組支援 上田公一

正社員の待遇下げ、格差是正 日本郵政が異例の手当廃止

JUGEMテーマ:社会の出来事

 

正社員の待遇下げ、格差是正 日本郵政が異例の手当廃止

4/13(金) 3:09配信より引用掲載

 

朝日新聞デジタル

 日本郵政グループが、正社員のうち約5千人の住居手当を今年10月に廃止することがわかった。この手当は正社員にだけ支給されていて、非正社員との待遇格差が縮まることになる。「同一労働同一賃金」を目指す動きは広がりつつあるが、正社員の待遇を下げて格差の是正を図るのは異例だ。

 同グループは日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4社でつくる。廃止対象は、原則として転居を伴う転勤のない条件の正社員(約2万人)のうち、住居手当を受け取っている約5千人。毎月の支給額は借家で最大2万7千円、持ち家は購入から5年間に限り6200〜7200円で、廃止で年間最大32万4千円の減収になる。

 廃止のきっかけは、民間の単一労組で国内最大となる日本郵政グループ労働組合(JP労組、組合員数約24万人)の今春闘での要求だ。同グループの社員の半分ほどは非正社員。非正社員の待遇改善を図る同一労働同一賃金の機運が高まっているとして、正社員だけに認められている扶養手当や住居手当など五つの手当を非正社員にも支給するよう求めた。

 これに対し、会社側は組合側の考え方に理解を示して「年始勤務手当」については非正社員への支給を認めた。一方で「正社員の労働条件は既得権益ではない」とし、一部の正社員を対象に住居手当の廃止を逆に提案。組合側は反対したが、廃止後も10年間は一部を支給する経過措置を設けることで折り合った。今の支給額の10%を毎年減らしていくという。さらに寒冷地手当なども削減される。

 同一労働同一賃金は、安倍政権が今国会の最重要法案とする働き方改革関連法案に柱の一つとして盛り込まれている。厚生労働省のガイドライン案では、正社員にだけ支給されるケースも多い通勤手当や食事手当といった各種手当の待遇差は認めないとしている。

 政府は非正社員の待遇が、正社員の待遇に引き上げられることを想定。非正社員の賃金を増やして経済成長につなげる狙いもある。ただ、日本郵政グループの今回の判断で、正社員の待遇を下げて対応する企業が広がる可能性がある。(土屋亮)


正社員の待遇下げ、格差是正 日本郵政が異例の手当廃止

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正社員の待遇下げ、格差是正 日本郵政が異例の手当廃止

4/13(金) 3:09配信より引用掲載

 

朝日新聞デジタル

 日本郵政グループが、正社員のうち約5千人の住居手当を今年10月に廃止することがわかった。この手当は正社員にだけ支給されていて、非正社員との待遇格差が縮まることになる。「同一労働同一賃金」を目指す動きは広がりつつあるが、正社員の待遇を下げて格差の是正を図るのは異例だ。

 同グループは日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4社でつくる。廃止対象は、原則として転居を伴う転勤のない条件の正社員(約2万人)のうち、住居手当を受け取っている約5千人。毎月の支給額は借家で最大2万7千円、持ち家は購入から5年間に限り6200〜7200円で、廃止で年間最大32万4千円の減収になる。

 廃止のきっかけは、民間の単一労組で国内最大となる日本郵政グループ労働組合(JP労組、組合員数約24万人)の今春闘での要求だ。同グループの社員の半分ほどは非正社員。非正社員の待遇改善を図る同一労働同一賃金の機運が高まっているとして、正社員だけに認められている扶養手当や住居手当など五つの手当を非正社員にも支給するよう求めた。

 これに対し、会社側は組合側の考え方に理解を示して「年始勤務手当」については非正社員への支給を認めた。一方で「正社員の労働条件は既得権益ではない」とし、一部の正社員を対象に住居手当の廃止を逆に提案。組合側は反対したが、廃止後も10年間は一部を支給する経過措置を設けることで折り合った。今の支給額の10%を毎年減らしていくという。さらに寒冷地手当なども削減される。

 同一労働同一賃金は、安倍政権が今国会の最重要法案とする働き方改革関連法案に柱の一つとして盛り込まれている。厚生労働省のガイドライン案では、正社員にだけ支給されるケースも多い通勤手当や食事手当といった各種手当の待遇差は認めないとしている。

 政府は非正社員の待遇が、正社員の待遇に引き上げられることを想定。非正社員の賃金を増やして経済成長につなげる狙いもある。ただ、日本郵政グループの今回の判断で、正社員の待遇を下げて対応する企業が広がる可能性がある。(土屋亮)


郵政ユニオンが春闘ストライキ〜「正社員化と均等待遇」を求めて

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郵政ユニオンが春闘ストライキ〜「正社員化と均等待遇」を求めて

レイバーネツト日本より引用掲載

 

 

 3月20日、郵政労働者ユニオンは期間雇用社員(非正規)の「正社員化と均等待遇」を求めて全国一斉ストライキを決行した。ストに入ったのは全国11拠点・19職場で、68人の組合員がストライキに立ち上がった。昼に行われた日本郵政本社前の抗議集会には約150人が集まった(写真)。郵政ユニオンは、2月19日に春闘要求を提出し交渉を積み重ねてきたが、ベアはゼロ回答だった。また東西で出された労働契約法20条裁判判決を受けて、期間雇用社員の「正社員化と均等待遇」を迫ったが、中身のある回答はなく、むしろ期間雇用社員の中に差別を持ち込みものだった。郵政ユニオンはこうした会社の姿勢に抗議し、この日のストライキになった。組合は「3年連続のベアゼロを許さず、均等待遇を推し進めるたたかいを強めていこう」と訴えている。(U)

↓本社前

↓東京のスト拠点の銀座局前

 


春闘で異変、中小の賃上げが23年ぶり「平均」に並ぶ

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春闘で異変、中小の賃上げが23年ぶり「平均」に並ぶ

ニュースイッチ 3/20(月) 14:28配信より引用掲載

 

 

人手不足が背景に

 今春闘で異変が起きている。自動車、電機など大手製造業のベースアップ(ベア)が前年を下回る水準での妥結が相次ぐ一方、中小製造業、食品・流通業の健闘が目立つ。17日午前時点での連合の第1回集計では、平均賃上げ率(定期昇給を含む)で、組合員数300人未満の中小組合の賃上げ率(同)も2・06%で並んだ。 

 連合加盟組合の平均賃上げと中小の賃上げ率が同率になったのは1994年の3・11%以来、23年ぶり。人手不足が背景にある。ただ、額は平均が6270円で、中小は5139円と開きがある。この20数年のベア積み上げが格差を生んだ。

 デフレ脱却をめざす安倍晋三政権にとって従業員数の7割弱を占める中小労働者と非正規の待遇改善は大きな課題だ。中小企業庁は産業界に中小企業との取引条件改善を要求。結果、「値引き要求が減り、現金決済も浸透している」(連合・須田孝総合労働局長)。

 先週末までにトヨタ自動車グループで“トヨタ(ベア1300円)超え”を果たした製造業労組は回答企業の4割に。また味の素はベア1万円を回答、同じく人手不足が顕著な流通業ではマツモトキヨシが4000円、ヨークベニマルが2694円のベアを提示、非正規の賃上げも実施する。

 一方で、長時間労働を減らすことで事実上の賃上げとする取り組みも目立つ。ヤマト運輸は時間帯指定配達の見直し、退社から出社まで一定時間を確保するインターバル制度の導入を回答した。

 政府は残業規制やインターバル規制の法制化を進めている。17日の会合で安倍首相は、残業規制の適用除外となっている建設・運輸業について「猶予期間を設けた上で、規制の対象とする方向で進めたい」と述べた。


ベア、過去4年で最低に=大手企業が一斉回答―17年春闘

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ベア、過去4年で最低に=大手企業が一斉回答―17年春闘

時事通信 3/15(水) 11:28配信より引用掲載

 

 

2017年の春闘交渉は15日、自動車、電機など大手企業の経営側が、労働組合の賃上げ要求に対する回答を一斉に行った。各企業は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を4年連続で実施するが、引き上げ幅は前年を下回る回答が相次いだ。大手のベア水準は、政府が賃上げの旗を振る「官製春闘」が始まった14年以降で最も低くなる見通しだ。

 政府は賃上げを景気の好循環につなげようと、「少なくとも前年並みの水準の賃上げ」を経済界に要請したが、円高に伴う収益悪化などでベアは大手企業の大半が2年連続で前年割れした。今後は、労使交渉が続く中堅・中小企業で賃上げがどこまで広がるかが焦点になる。

 自動車大手では、ベア相当分として日産自動車が前年実績の半分の月額1500円を回答。トヨタ自動車は前年より200円少ない1300円を回答し、家族手当で1100円を上積みした。ホンダは前年を500円上回る1600円を回答した。

 年間一時金(ボーナス)は、日産とホンダが前年実績をそれぞれ0.1カ月上回る6.0カ月と5.9カ月の満額回答。トヨタも組合が要求した6.3カ月(前年実績比0.8カ月減)に満額で報いた。

 電機大手ではパナソニック、NEC、富士通、日立製作所、三菱電機の5社が、そろって前年実績を500円下回るベア1000円を回答。造船・重機でも三菱重工業がベアを1000円(前年実績1500円)に抑えた。コマツ、島津製作所などもベア相当額が前年を下回った。 

味の素、基本給一律1万円引き上げ 残業削減へ労使合意

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味の素、基本給一律1万円引き上げ 残業削減へ労使合意

朝日新聞デジタル 2/21(火) 3:09配信より引用掲載

 

 

 食品大手の味の素は20日、社員全員の月額給与の基本給を一律1万円引き上げることで、労働組合と合意したと明らかにした。基本給を増やすことで、働き方改革で残業代が減ることへの社員の不安を和らげるねらいだ。

 労働組合側からの要求に対し、会社側が満額回答した。引き上げの対象は管理職を含む約4千人で、4月の給与から実施する。原資の一部には、寒冷地手当などの見直し分を充てる。

 味の素は長時間労働の是正を進めており、4月からは所定労働時間を20分短縮して7時間15分にする。2018年度に7時間とすることでも合意した。


ボーナス「正社員と同様に」KDDI労組が要求へ

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ボーナス「正社員と同様に」KDDI労組が要求へ

 

フジテレビ系(FNN) 2/16(木) 16:04配信より引用掲載

 

 

2017年の春闘で、KDDIの労働組合が、契約社員のボーナスを、正社員と同じ形式で支給するよう要求する方針であることがわかった。
通信大手のKDDIには、社員のおよそ3割にのぼる、およそ3,000人の契約社員がいるが、今回、労働組合では、ボーナスの支給額を、正社員と同じように「月給の何カ月分」という形で計算し、月給にかけて支給するよう求める方針を固め、17日に行われる中央委員会で、正式に決定する見通し。
これまで、契約社員のボーナスは、正社員と大きな開きがあったが、要求が通れば、数十万円のボーナスが支払われる見通し。


年収ベースの賃上げを=経団連会長、働き方改革も要請―17年春闘が事実上スタート

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年収ベースの賃上げを=経団連会長、働き方改革も要請―

17年春闘が事実上スタート

 

時事通信 1/23(月) 10:39配信より引用掲載

 2017年春闘の事実上の幕開けとなる「経団連労使フォーラム」が23日、東京都内で2日間の日程で始まった。経団連の榊原定征会長はあいさつで、賞与や諸手当も含めた「年収ベースの賃金引き上げ」を会員企業に要請。また電通の女性新入社員の過労自殺問題も念頭に、「長く働くことを評価する日本特有の風潮を経営者トップが先頭に立って変えていく」との決意を示し、「働き方改革」への協力を求めた。同日午後には連合の神津里季生会長も講演する。

 安倍政権は17年春闘に向け、経済界に4年連続で賃上げを要請。「少なくとも前年並み」の賃上げを求め、特に基本給を底上げするベースアップ(ベア)の実施を促した。

 昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以来、大幅な円安と株高が進み、企業の収益環境は好転。榊原会長は「この追い風の中、日本経済も回復の足取りを強めていく」との認識を示した上で、「デフレからの脱却と持続的な経済成長の実現に向け、賃上げの勢いを継続しなければならない」と強調した。

 ただ、トランプ新大統領の保護主義的な言動や中国経済減速への懸念などリスク要因は多く、企業経営者は固定費が増加するベア実施に慎重だ。今後の労使交渉では、賞与なども含めた年収全体での賃上げにとどめようとする経営側と、ベア獲得にこだわる労組側との間で激しい攻防が繰り広げられそうだ。 

 


黒鉄好@安全問題研究会です

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黒鉄好@安全問題研究会です。

 

 

レイバーネツト日本より引用掲載



12月4日、神奈川県川崎市を営業区域とする川崎鶴見臨港バスの労働組合、「臨港バス交通労働組合」が「安全輸送・安全運転」体制の確立を求めて、36年ぶりの24時間ストライキを決行しました。

相次ぐ高速バスの事故などを受け、安全体制確立を求める世論の高まりを反映したのか、このストを支持する多くの声が市民・利用者から上がったことに、時代の変化を感じます。

以下、拙ブログからの転載でお知らせします。

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市民に支持された「安全問題」でのストライキ

<参考記事>なぜ臨港バスは36年ぶりのストに踏み切ったのか(神奈川新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161210-00014093-kana-l14

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【文化部=齊藤大起】最長16時間に及ぶ勤務の「拘束時間」の軽減を求め、川崎鶴見臨港バス(川崎市川崎区)の運転士らが36年ぶりのストライキに踏み切ってから1週間。その訴えは、バス業界全体で長時間勤務や休日出勤が常態化している厳しい労働環境を浮き彫りにした。

■6時間の「中休」

 「カネじゃない、安全のために訴えている」。同社の労働組合幹部は話す。労働条件を巡る「秋闘」の一環で12月4日、組合は24時間の時限ストを実施、横浜市鶴見区を走る一部路線を除き、全ての運行を止めた。

 会社に求めたのは、労働時間外の休み時間である「中休」を減らすことだった。バスは朝夕のラッシュ時間帯に運行が集中し、日中は間隔が空く。そのため、中休を挟んで1人が早朝から夜まで担当することが多い。

 以前は早朝から午後早くまでの「早出」と、午後から深夜までの「遅番」を別々の運転士が担当することが多かったが、同社は「2人を要していた仕事を1人に担当させれば効率よく走らせられる」との理由で、中休の必要性を説明する。

 だが、6時間ほどもある中休は「拘束時間」には含まれるものの労働時間とは見なされず、若干の手当が付くほかは無給。街中へ出たり、いったん帰宅したりできる自由時間とはいえ「夕方からの乗務に備え緊張状態は続く」と労組は主張する。営業所の仮眠室で休憩する社員もいるという。帰宅が遅いことで家族と過ごす時間も削られる。

 中休を含む勤務は、組合の話では総数の約4割に上り、5年ほど前は週1回程度だった頻度が週2、3回に。会社側は「営業所ごとに異なり、一概に割合は示せない」とするが、組合員の一人は「人命を預かる重大さを分かってほしい」と訴える。

■実効性薄い基準

 「そもそも、運転士を守るべき規制が脆弱であることに問題がある」。労働経済学が専門で、バスやタクシーなど運輸業界の実態に詳しい北海学園大の川村雅則教授は指摘する。

 実際、同社が「法令の範囲内で勤務を組んでいる」と強調する通り、16時間に及ぶ「拘束」は、厚生労働省の基準に収まっている。

 同省は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)でバス運転士の拘束時間を1日16時間、週71時間半まで許容。同基準の意義を「バス運転者の労働条件を改善するため」としつつも「労働実態を考慮して基準を定めた」と、むしろ長時間拘束を容認している形だ。

 その上、睡眠不足への対策も十分でない。労働後の休息を11時間と定めた欧州連合(EU)に比べ、同基準は8時間。例えば、午後11時までハンドルを握った運転士に、翌朝7時からの運転を命じることができるのだ。

 川村教授は調査で「十分な睡眠時間がとれない」と訴える運転士が半数近くを占め、健康や安全に影響を与えている現状を指摘。「自動車には鉄道や飛行機のような自動制御装置がなく、運転者の状態が安全を左右する」として、規制強化を訴える。

 しばしば、バス会社に寄せられる「運転士が無愛想」「運転が乱暴」といった苦情にも、川村教授は着目。「背後に長時間労働による疲労があるのでは、と想像してほしい」と話す。

■背景に規制緩和

 だが、現実は真逆だ。2000年以降の規制緩和のあおり受け、バス事業は過当競争の渦中にある。運転士の給与にも反映している。

 厚労省の統計を基にした川村教授の分析によると、かつて全産業平均を上回っていたバス運転士の平均年収は同年に逆転し、15年は427万円と全産業平均の548万円の8割未満に。15年にわたり120万円以上も下がり続けている計算だ。

 そもそも、かつて全産業平均を上回っていたのも、バス運転士の総労働時間が一貫して長いためで、給与水準が高いからではなかった。川村教授は、運転時間の長さが収入を左右する給与体系自体が、望まない超過勤務や休日出勤を強いられる「強制性と自発性がないまぜになった長時間労働」を生じさせていると指摘。「基本給で生活できる社会を築くべきだ」と話している。
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神奈川県川崎市を営業区域とする「川崎鶴見臨港バス」の労働組合(臨港バス交通労働組合)が、12月4日(日)、1980年以来、実に36年ぶりの24時間ストライキに踏み切った。会社側は、表向き、組合側との協議を続けているようにホームページ上では説明していた。だが、誠意のある姿勢とはとても言えなかったらしく、結局、労使交渉はまとまらないまま、組合側は24時間ストを打ち抜いたようだ。

公共交通機関のストが頻発していた1980年代まで、これらのストに対する市民感情は、賛否相半ばしていた。支持する声ももちろん強かったが、交通機関利用者からは迷惑だとして組合側を批判する声も多かった。こうした批判を気にして、交通機関の労働組合から、いつしか戦術としてのストライキは消えていった。

その結果、記事にあるように、人命を預かる重要な仕事であるにもかかわらず、バス運転手の待遇は全産業平均を下回るようになった。公共交通企業の人員削減と、生活に必要な賃金を確保するための両面から、運転手は長時間労働を受け入れざるを得なくなった。過酷な勤務実態が社会問題化した夜行高速ツアーバスはもちろん、最近は一般の路線バスでも、以前なら考えられなかったようなお粗末な事故が起きるようになってきている。

川崎鶴見臨港バスの、6時間の「中休」を間に挟んだ16時間拘束の勤務形態は、バス労働者の労働条件悪化の象徴例だろう。「中休があるからいいじゃないか」という声もあるだろうが、それは現場実態を知らないからだ。6時間後にまた勤務が控えていると思うと気が休まらないし、仮眠を取ったところで熟睡もできず、疲れも取れないのは当然だ。実質的には拘束時間と言ってよい。「カネじゃない、安全のために訴えている」という労働組合幹部の発言からは、ひしひしとした危機感が伝わってくる。

驚いたのは、インターネット上でこのストライキを「支持」する声が相次いだことだ。例えば、スト決行を伝える臨港バス交通労働組合関係者と見られるツイッターや、ニュースサイトのコメント欄には、次のような感想が書き込まれている。

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・労働者には不当搾取に抵抗する権利がありますからね。ストライキに踏み切った鶴見臨港バスの労働者の皆様には敬意を表すとともに、全面的に支持したいと思います。

・ストライキを馬鹿にしたり、うざいとか迷惑って言ってる奴らは何なの? 条件さえ守ればストライキは労働者の権利なんだよ。ストライキを起こさせたり、ストライキが起こってもある程度は対応出来る仕組みを作ってない企業に文句を言うべき。

・最近落ち込むことも多かったけど、朝バスがストライキ起こしたニュースを見て少し元気になった。ストライキ起こせるあたり日本もまだ捨てたもんじゃないね。労働環境に関する暗いニュース多いから尚更。

・ストライキしてるバス会社があるのか。労働者がものを言える社会は健全だと思う。

・ストライキ権が認められない世の中になったら、ブラック企業がやりたい放題になるよ。ストライキって、世の中に多大なる影響が出るからこそ、やる意味が出るんじゃないのかね。何の影響もないストライキやったとこで、意味ない気がするんだけど。

・この問題を放置しておくと、大きな事故が増える気がする。既に、東急バスで運転士が運転中に眠くなって電柱に激突なんて事故も起きたし…

・バスの運転士は高い運転技術と責任感そして緊張を強いられる。そういう職種の人が安月給で長労働時間っていうのはおかしな話。

・命を預けるわけだから、運転手さんにはベストな状態で働いてもらいたい。
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相次ぐ公共交通の事故とブラック企業の蔓延で、今、明らかに潮目は変わった。ストを支持する多くの声を聞くと、川崎鶴見臨港バス労働者でなくとも元気が出てくる。これらの声が、ストを打ち抜いた労働者に届くよう願っている。

今回、ストライキが市民に支持された理由としては、安全問題を基軸に据えたことが大きいと思う。通勤ラッシュへの影響が最も少ない日曜日をスト決行日に選んだことも、敵に回す市民・利用者を最小限にとどめたいという執行部の判断によるものだろう。こうした柔軟な戦術も、市民の支持を得るために重要なことだと思う。

安全問題研究会は、先のコメント(http://www.labornetjp.org/news/2016/1480947941736zad25714)に見られるように、バスの安全問題にも重大な関心を持っている。国交省は、ツアーバス事故で命と将来を奪われた犠牲者たちに謝罪もしないまま、バス事業の規制強化に舵を切ったが、これは2000年の道路運送法改正による規制緩和を事実上、誤りと認めるに等しい。引き続き、当研究会は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」の改正など、実効ある法制度の整備を求めて行動を続けていきたいと考えている。

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黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp

首都圏なかまユニオンサイト
http://www.syutoken-nakamaunion.com/hp/

安全問題研究会サイト
http://www.geocities.jp/aichi200410/


川崎のバス会社「36年ぶり」ストで10万人に影響…組合に損害賠償の責任はないの?

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川崎のバス会社「36年ぶり」ストで10万人に影響…組合に損害賠償の責任はないの?

弁護士ドットコム 12/11(日) 9:34配信より引用掲載

川崎市や横浜市を走る川崎鶴見臨港バス(川崎市川崎区)の労働組合は12月4日、約40路線のうち、横浜市の補助金を受けている1路線を除き、始発からストライキを実施した。1980年4月以来の実施で、10万人に影響が出た。

報道によると、労使交渉で、朝と夜の通勤ラッシュ時間帯を同じ乗務員が担当し、長時間拘束される勤務が多いことを理由に、拘束時間を減らすダイヤや勤務体系を求めたが、会社側の理解が得られなかったという。

同社のストライキは36年ぶりとのことだが、最近はストライキを実施したという話をあまり聞かなくなった。ストライキを実施したことによる損害は労働組合が負うことになるのだろうか。また、賃金の扱いはどうなるのか。野澤裕昭弁護士に聞いた。

●労働組合は損害賠償責任を負わない

「ストライキは憲法で保護された労働者の権利で、使用者(会社など)に損害を与えたとしても、民事、刑事の責任が免除されます(労働組合法8条、同法1条2項)。これは『勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動する権利は、これを保障する』(憲法28条)とされ、この『団体行動する権利』のなかにストライキ(争議行為)が含まれると考えられているからです。

この趣旨は、労働者は使用者と経済的に対等ではないため、労働組合を結成させ(団結権の保障)、団体交渉にあたって争議行為をすることで使用者に圧力をかけ(団体行動権の保障)、対等な交渉権を保障しようということにあります」

ストライキによって発生した損害は誰が賠償することになるのか。

「確かに、交通機関の利用者は、ストライキによって他の交通手段を使わざるを得ない等の損害が生じますが、賠償責任は運送契約を結んでいる使用者が負い、労働組合が利用者に損害賠償責任を負うわけではありません。

利用者から損害賠償責任を負った使用者は損害を受けますが、民事免責により組合は責任を負いません。したがって、使用者は損害の負担を避けるために組合の意向を尊重せざるを得ないことになり、組合は団体交渉を有利に進められるというわけです。

争議行為の本質は使用者への労働力の提供を拒否するというものです。ですから、労働力提供の対価である賃金は当然貰えません。そのため組合は争議に際し参加する組合員に予め闘争資金を積み立て賃金分を補償する用意をして争議に入ります。

また、ストライキを無視して仕事をした組合員は、使用者から賃金は貰えますが、組合の方針に違反したことになるので組合の統制処分(除名、資格停止等)の対象となるでしょう」


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